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予告編野口 洋隆
前稿『トロンボーン吹きから見たトランペット吹き』において、筆者は「トランペット吹き」という人種について日頃考えていたことを著述したが、意図的か否かにかかわらず、トランペット吹きに対してかなり揶揄した表現になってしまった。 前稿を著してから2年あまりが経過したが、この間筆者は家庭生活の変遷を経て(単に、こどもが生まれたため道楽に費やす時間が減ったということなのだが)、演奏活動においてトロンボーンを吹く時間を以前に比べかなり減らしている。ところが、バストランペットを吹く時間は以前と変わらない。ピストンクラブを続ける限り、この楽器を吹く時間は減らせないのだ……。逆に言うと、ピストンクラブでもなければバストランペットを使わせてくれるところはないということであるが。ともかく、最近の筆者は、以前よりも、よりトランペットサイドに軸足が移っているのである。もちろん、とても普通のトランペットとは言えないので、《もどき》であることは否めないのだが。 そんな心境からすると、以前は「当たり前じゃん」とか思っていたトロンボーン吹きの行動も、外から見たら何か変な性癖だということがあるのに気づいてきた。 本稿では、そのようなトロンボーン吹きの性癖についても、半ば自虐的、半ば内部告発的に考えてみようと思う。 本稿の章立てについては、取りあえず現時点で次の通り予告しておく。 【第1章】Fバルブへのこだわり 〜ハグマンは業界を席巻するか?〜 【第2章】徐々に進行する大型化 〜太管至上主義は永遠か?〜 【第3章】スライド楽器の盲点 〜半音階は簡単か?〜 【第4章】機能性の束縛 〜しゃくりの魔力を克服出来るか?〜 【第5章】大らかな社交性 〜そんなに宴会が好きなのか?〜 ―― intermission:新しいバストランペットの提案 〜いやはやこれは妄想か?〜 ―― 【第6章】意外に新しモノ好き 〜定番メーカーはどこだ?〜 【第7章】トランペットにはない倍音 〜何故A♭は出にくいのか?〜 【第8章】"間違った"音楽教育 〜ドはどこ?〜 【第9章】音域再考 〜恐怖のドッペルとは何ぞや?〜 【第10章】取りあえずの fine 〜どうやって終わろうか?〜 それにしても、二番煎じ、三番煎じは概して面白くなくなっていくものである。貴重なインターネット資源を浪費する無礼を、前もってお詫びしておきたい。 |
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